リンパの腫れについて解説しています。





リンパの働きをはじめ、様々な病気、
耳の下・首・顎(あご)・股関節のリンパの腫れの原因、
リンパマッサージの効果など
リンパ腺について詳しく解説しています。



リンパの働き

◆免疫機能
体内に入り込んできたウイルスや細菌を濾過して破壊する

◆運搬機能
老廃物・余計な水分・白血球の死骸を体外へ出す

リンパ液は体内に侵入してきた細菌による感染を防ぐ役割を持つため、炎症を起こすことがあります。
風邪を引いた時などにリンパ節に痛みが出るのは、こういった働きによるものなんですね。

さて、人体に重要な働きをもたらしてくれるリンパ液ですが、
その流れがとまってしまうと老廃物や余分な水分が体外に排出されなくなり
様々な体の不調が起こるようになります。

血液は心臓がポンプの役割を果たし、体中に酸素や血液を運んでいき、そして心臓に戻ってきます。
しかしリンパには血液と同じようにポンプの役割をしてくれるものがありません。

では、リンパ液はどうやって体の中を循環しているのでしょう?


⇒リンパの働き

リンパが腫れるって?

血液中の血漿成分の一部は、血管とリンパ管にそれぞれ入ります。
これらには代謝物が加わりますから、当然ウイルスや細菌も入ってしまいます。

体内には800ヶ所にリンパ節(耳の下、股の下、脇の下など)があり、
ここではリンパ液に含まれるウイルスなどの不純物をろ過したり、
リンパ球をつくったりといった"作業"が行われています。

例えばウイルスなど病原菌があなたの体内に侵入しようとしたとします。
するとリンパ球や白血球がウイルスを攻撃して侵入を阻んでくれます。
しかしもしウイルスが強い場合にはリンパ節まで冒されてしまいます。

あなたのリンパ節が痛んだり、腫れている場合には
あなたの免疫機能とウイルスが闘っているのだと思ってください。


しかし、もしウイルスや細菌の方が強い場合には、
リンパ節の腫れだけでは済まなくなり深刻な病気に移行することがあります。


⇒リンパが腫れるって?

耳の下のリンパ

◆内耳炎
中耳炎が慢性化して、化膿性炎症が内耳にまで及んだ病気です。
難聴、耳鳴り、吐き気、嘔吐などの症状が見られます。


◆中耳炎

喉や鼻から耳管を経由して細菌が侵入することで起こります。
子供さんの場合だと風邪などの病気がきっかけになることもあります。
中耳炎はいくつかの種類があります。

・急性中耳炎

急激に中耳に炎症が起きる病気です。

・滲出性中耳炎

粘液がたまる為に耳の聴こえ具合が悪くなる

・慢性中耳炎

長期間炎症が続く

・真珠腫性中耳炎

鼓膜に穴があく為に骨が壊れる


◆外耳炎

耳掻きの掃除をしていて外耳道に傷をつけてしまい、
細菌や真菌感染して耳のまわりのリンパ腺が腫れてきます。

外耳炎が悪化すると、耳漏のような不快な症状が出るだけでなく
命に関わる病気を発症することもあります。


⇒耳の下のリンパ

首のリンパ

首のリンパに腫れが出た場合、口・喉・鼻の炎症が影響していることもありますが、
以下の病気の疑いもありますから早急に検査するようにしてください。

◆悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫・ホジキンリンパ腫)

全身の組織細胞が悪性化して、臓器を侵す病気です。

「症状」
・リンパ節が腫れる
・痛みはない
・発熱
・倦怠感
・寝汗
・体重減少


◆悪性リンパ腫(高齢者)
リンパ組織が癌化することで発症します。
高齢者になればばるほど発症率が高くなります。

「症状
・リンパ節の腫れ(頸部、股のつけ根、ワキの下)
・体重減少
・痛みはない
・発熱
・意識障害
・ひどい寝汗


◆悪性リンパ腫(子供の非ホジキンリンパ腫)

3歳〜10歳の男児に見られます。(女児も発症します)
首の他に腹部や縦隔にも発症します。

「症状」
・リンパ節の腫れ
・ぐりぐりとしたしこりが出来る
・痛みはない
※進行すると腹痛、顔のむくみ、呼吸困難が見られるようになります。


◆肺サルコイドーシス

原因不明

「症状」
・頸部、ワキ、鼠蹊部にリンパの腫れが出る
・倦怠感など

◆咽頭がん

上咽頭がんだと、頸部リンパ節に転移する

◆結核

結核菌という細菌が原因で起こります。
明治から昭和20年代までは死病と恐れられた病気でしたが
現在でも人口10万人に対して19.4人が罹患しています。

痛みがなくても安心してはいけません。
痛みがない方が悪性の病気であることは少なくないのです。


⇒首のリンパ

顎のリンパ

◆口内炎、虫歯など口腔系の病気

リンパ節は外部から入り込んでくる細菌などに対して免疫反応を起こして撃退してくれる器官です。

体内に大小合わせて800ヶ所あると言われるリンパ節ですが、
異物や細菌が体内に侵入してきた際に対抗できずに闘いに破れてしまった場合には「腫れ」が出ます。

こういったリンパ節に腫れが出る病気は、大きく「炎症性」または「腫瘍性」に分かれています。

顎の骨、口腔粘膜、歯周組織、歯など顎の周辺に
炎症性疾患が発生した場合には、顎のリンパが腫れることがあります。


例えば、ひどい「口内炎」ができるとリンパ腺に腫れが出ます。


⇒顎のリンパ

股関節のリンパ

股関節つまり鼠蹊部(そけいぶ)足のつけ根あたりに出る腫れは、
下肢・肛門・陰部などの異常や、足の細菌感染などが原因で起こります。

ここで心配なのは、下腹部の悪性リンパ腫や悪性腫瘍の転移です。


⇒股関節のリンパ

病院での検査

1.問診・触診
・リンパの腫れにいつ気づいたのか?
・いつ頃から腫れが出たのか?
・他に何か症状はないか?


そしてリンパ節を触診して、リンパ節の大きさや硬さ、圧痛の有無などを確かめます。

問診と触診である程度の原因を想定し、診断を確実なものにするために以下の検査を行います。


⇒病院での検査

子供の対処法

子供さんのリンパ腺も大人と同様にいくつかの原因があります。
ほとんど心配のないものですが、中にはすぐに検査が必要なものまで様々です。

◆体の局所が炎症している
風邪などを引いて扁桃腺に炎症が起きれば首のリンパ節が腫れます。
膝など足をケガしていてそこから細菌感染すれば、そけい部(足のつけ根)のリンパ腺が腫れます。

状態がひどくなると、切開しなくてはいけなくなりますからすぐに病院へ行くことが肝要です。

◆ウイルス性感染症など
発疹など病気を発症するとリンパ節が腫れることがあります。
ウイルス性感染症やリウマチ、そして川崎病など抗生物質を投与しても腫れが引かないことがあります。

こういった際にはもう一度病院を受診して医師に診てもらうようにしましょう。

◆悪性リンパ種など
首、ワキ、足のつけ根などにできたグリグリが短期間で大きくなり、
そして触っても硬く動かないものであれば悪性リンパ種や白血病の可能性があります。
この場合にはすぐに病院を受診するようにしてください。


さて、色々と驚かせてしまったかもしれませんが、
子供さんは8歳くらいまではリンパ腺の働きが活発です。

一度グリグリができるとしばらく残るケースはよく見られます。
上記のような病気であれば早期の治療が必要ですが、
グリグリの他に症状がなく大きさも変わらず押せば動くやわらかいしこりであれば心配ありません。

もちろん心配だと思いますから、病院でしっかりと診断してもらうと安心でいいですね。


⇒子供の対処法

花粉症でも腫れる?

花粉症は180年も前から存在する病気ですが、国民病に近い状態になったのはここ最近の話です。

現在では10人に1人の割合で花粉症を発症している方がいると言われています。

花粉症や気管支喘息などアレルギー性疾患を発症すると、免疫のバランスが崩れます。
免疫のバランスが崩れるとリンパは腫れを生じます。


⇒花粉症でも腫れる?

様々なリンパの病気

◆耳のリンパ腺が腫れた場合
内耳炎、中耳炎、外耳炎

◆顎の下のリンパ腺が腫れた場合

虫歯、口内炎など

◆首のリンパ腺が腫れた場合

悪性リンパ腫、結核、急性リンパ節炎、慢性リンパ節炎

◆鎖骨の上のリンパ腺が腫れた場合

肺ガンから転移、胃ガンからの転移

◆ワキの下のリンパ腺が腫れた場合

手の外傷、悪性リンパ腫

◆そけい部(足のつけ根)のリンパ腺が腫れた場合

下肢の外傷、梅毒、淋病、肛門の病気など

◆全身のリンパ節が複数腫れている場合

悪性リンパ腫、ガン、血球腫瘍

上記の他に「リンパ浮腫」という病気があります。
細かく言えば腫れではなくむくみが出る症状なのですが、一見腫れているようにも見える病気です。

外傷や手術をきっかけに起こり、血管の外側の皮下組織に過剰に水分が溜まった状態を指します。

生理的なリンパの腫れであればしばらくすれば改善されますが、
上記のような病気が原因でリンパが腫れている場合には早期の治療が必要です。

リンパが腫れた時にはぐりぐりとしたしこりのようなものができます。
できる場所は首・足のつけ根・わきの下・顎の下などリンパ節があるところです。

これらのいずれかの部位に、硬くて触っても動かないグリグリができた場合には
今すぐに病院で検査をするようにしてください。



⇒様々なリンパの病気

リンパマッサージの効果

リンパマッサージは、体中に張り巡らされているリンパ管に沿ってやさしくマッサージする方法です。

体内の老廃物を排出させることができ、以下のような効果がもたらされます。

・痩せやすくなる
・免疫機能の改善ができる
・むくみが解消する
・冷え性が改善する
・セルライトを除去することができる(セルライトの状態によります)
・バストアップができる
・頬のたるみがとれる
・ホルモンバランスが良くなる


リンパマッサージはエステサロンなどでも受けることができますが、
自宅でも行えますので是非毎日続けるようにしてください。


⇒リンパマッサージの効果



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